若ハゲ

若ハゲの原因は遺伝?生活習慣?ストレス?

原因アイキャッチ

男性の若ハゲはAGA(男性型脱毛症)が早い時期に始まった状態であり、原因はAGAと変わりません。

若ハゲの原因として考えられているのは以下の3つです。

  1. DHTによるヘアサイクルの乱れ
  2. 生活習慣の乱れ
  3. ストレス

これらのうち、1つ目のDHTに関しては遺伝的な要素によって左右されるため、健康状態や環境でどうこうできるものではありません。いわゆる「遺伝でハゲた」状態ですので、親族に薄毛の方がいれば起こりやすくなります。

2つ目の生活習慣においては、睡眠不足や偏った食生活、運動不足といったことが習慣的に続くと毛髪環境が悪化します。普段の生活を見直すことで、リスクを回避できる可能性があります。

3つ目のストレスですが、日常生活でストレスが溜まってくると自律神経が乱れ、頭皮への血行が悪くなって髪の成長を妨げます。悪化を防ぐにはストレスの要因を取り除かなければなりませんが、周囲の環境や人間関係など本人だけではなかなか解決できない問題であることが多いです。

若ハゲは多くの場合、複数の原因が重なって発症します。一つだだけ対策をすれば解決できるような単純なものではないので、思い当たる要因は可能な限り対策していくことが大切です。

原因1:DHTによるヘアサイクルの乱れ

DHT引用画像01
出典:薄毛治療の基礎知識|女性のための薄毛治療専門クリニック TOMクリニック

DHT(ジヒドロテストステロン)は、男性ホルモンの1種であるテストステロンが強力に変化したものです。テストステロンは筋肉や精力といった男性らしさの素となる善玉男性ホルモンですが、DHTは薄毛や前立腺肥大といった男性特有の疾患を引き起こす悪玉男性ホルモンです。

テストステロンは血液とともに毛根へと運ばれ、そこで5αリダクターゼという酵素によってDHTへと変化し、DHTが髪の毛に悪さをします。すると髪の毛の成長が妨げられ、それまで健全だったヘアサイクルが乱れてきます。

ヘアサイクルとは

ヘアサイクル引用画像00
出典:髪の基礎知識 vol.2「ヘアサイクル」|デミ コスメティクス

ヘアサイクルは髪が生え変わるサイクルであり、髪の毛1本1本の寿命を段階的に表したものです。髪の毛は一生のうちに数回生え変わり、毎日どこかしらの髪が抜け落ちたり生えてきたりしています。

髪の毛1本1本の寿命はおよそ3~6年とされており、段階として成長期、退行期、休止期の3つに分かれます。このうち成長期が最も長く、頭髪全体のおよそ85%が成長期の髪とされています。
成長期は2~6年ほど続いた後、成長が徐々に止まっていく退行期に入り、2週間ほどで完全に成長が止まる休止期になります。
休止期は3~4ヶ月ほど続き、この間に髪の毛が抜け落ちて一生を終えます。

DHTが成長期を縮める

ヘアサイクル引用画像01
出典:髪の毛ってなに?(髪の毛の構造)|抜け毛、薄毛(うす毛)対策【AGA-news】|MSD株式会社

薄毛の悪玉男性ホルモン・DHTがターゲットとするのは、成長期の髪の毛です。この時期は髪を形成する毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返し、髪の細胞が増加して髪の毛は伸び続けます。
毛根から毛母細胞内へと侵入したDHTは毛母細胞の中心にある毛乳頭にちょっかいを出します。
毛乳頭は毛母細胞の司令塔であり、髪が成長する指令を出す重要な所です。DHTにちょっかいを出された毛乳頭は指令を出しにくくなり、毛母細胞の分裂が妨げられます。
満足に細胞分裂ができなくなった髪の毛は成長期が短くなっていき、健全な状態では2~6年だったのが数ヶ月まで縮まります。

薄毛はこうして起こる

軟毛引用画像01
出典:AGA(エージーエー)ってなに?|抜け毛、薄毛(うす毛)対策【AGA-news】|MSD株式会社

髪が生え変わる回数は一生のうちで決められており、早く抜け落ちたからといってすぐに生え変わるという訳にはいきません。

DHTによって寿命が短くなった髪の毛が1本また1本と増えていくと、そのぶん抜け毛の量が増えていき、抜け落ちた後の無毛地帯が増えていきます。

また、成長期が短縮された髪は十分な太さに育たず、細くてポヨポヨした軟毛になります。

無毛地帯や軟毛の割合が多くなると、髪のボリュームが減って全体的に薄く見え、地肌が目立つようになります。

DHTの影響力は遺伝する?

薄毛の遺伝引用画像01
出典:母方の祖父が薄毛の場合75%!薄毛が遺伝する確率と検査・予防法【専門医が徹底解説】

DHTが体内で発生する量や作用をおよぼす程度は個人差があり、遺伝子の染色体が関係しているとされています。
DHTに関係する染色体は母親からのみ受け継ぐものですので、いわゆる母方の隔世遺伝という形で発症します。

ただし、必ずしもそうとは限らない場合もあり、父親から遺伝する事もあるし、別の親族から遺伝する事もあります。

この辺のメカニズムは厳密に解明されてはおらず、あくまで有力な説が母方の隔世遺伝というだけの事です。

原因2:生活習慣の乱れ

原因イメージ01

髪の毛は、頭皮の環境にも少なからず影響を受けます。髪が伸びる指令を受けても、髪の成長に必要な酸素や栄養素が無ければ状態が悪化します。そしてそれらを運んでくるのが血液であり、頭皮への血行が髪の健康に左右します。

生活習慣が乱れると、血行が悪くなって頭皮に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。体内の血行不良はAGAのみならず、様々な障害を引き起こします。血行を悪くする生活習慣の乱れとして、主に以下があります。

動画内で食事、生活習慣、運動、喫煙について言及

睡眠不足

睡眠は髪の成長にとても大切な役割があり、若ハゲとも大いに関係しています。それと言うのも、体内で成長ホルモンが最も分泌されるのが睡眠中であり、午後10時から午前2時までの時間帯が成長ホルモンの分泌におけるゴールデンタイムとされています。
この間に十分な睡眠が取れていなければ成長ホルモンの分泌量は減っていきます。

成長ホルモンは体内で行われれる様々な代謝を促す働きがあり、文字通り髪を始めとした様々な部位の成長に深く関わっています。
睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が減れば、体の代謝機能が低下して髪や頭皮を修復できなくなります。

さらに代謝が悪くなると血中コレステロールが増えて血行も悪くなり、髪に十分な栄養が行き渡らなくなります。

偏った食生活

ハンバーガーやカップラーメン等のジャンクフードばかり食べていると、どうしてもビタミンが不足して脂質や塩分を多めに摂取してしまいます。また、お菓子や飲料に含まれる糖分も注意が必要です。

ビタミン類の中でも、ビタミンA、Eは血行促進作用があり、ビタミンBは体の新陳代謝を促進します。これらが不足すれば血行の悪化や代謝の低下となって髪の成長を妨げます。

一方で脂質は血中コレステロール濃度を高めて血液をドロドロにし、塩分は血圧を高めたり腎臓の機能を低下させて、やはり血行を悪化させます。

糖分は皮脂の分泌を増やすため、頭皮の毛穴がつまってフケ等の頭皮トラブルを起こしやすくなります。

運動不足

原因イメージ03

運動不足は体の筋力を低下させ、使わない筋肉を凝り固まらせます。
固まった筋肉が周囲の血管を圧迫して収縮させるため、体内の血行が悪くなります。
頭皮はポンプの役割を果たす心臓から遠いため、血行が悪くなると頭皮への血流が行き渡りにくくなります。

脂肪の燃焼が低下するので、食事で摂取したエネルギーを十分に消化できなくなります。
余計な脂肪が溜まって血中コレステロール濃度が上がり、血行不良や肥満につながります。

肥満度(BMI)の数値が高い人ほどAGAになりやすいという統計も出ていますので、肥満の人は注意が必要です。

参考:16th European Hair Research Society (16th EHRS) | ニュースリリース | エイジングケア商品の研究・開発・販売 | 予防医学のアンファー

飲酒、喫煙

お酒は肝臓の働きを低下させることが知られていますが、肝臓は薄毛とも少なからず関係しています。

お酒は肝臓で分解されて、アセトアルデヒドと呼ばれる有害な物質に変わり、やがて汗や尿と共に体外へ排出されます。アルコールを分解する際に、多くのアミノ酸が使われますが、この中には髪の成長においても重要な役割を果たすシスチンやメチオニンも含まれます。
つまりお酒を飲むと、髪に必要なアミノ酸がアルコールの分解に使われてしまい、髪の成長が妨げられてしまうのです。

一方アルコールから分解されたアセトアルデヒドは、薄毛や抜け毛の原因となる男性ホルモン・DHTを増やす作用もあると考えられています。

また、お酒には糖分が多く含まれているため、血液がドロドロになって体内の血行が悪化し、髪に十分な栄養が行き渡らなくなります。

動画内で飲酒と薄毛の関係性について詳しく説明

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させることがわかっています。喫煙は体内の血行を悪くして頭皮への血流を低下させます。

また、喫煙によって体内に入ってきた有害物資を排除する際に、大量のビタミンが消費されます。ニコチンにビタミンを奪われると、血行悪化のみならず毛髪そのものの栄養不足にもつながります。

動画内で喫煙と薄毛の関係性について詳しく説明

原因3:ストレス

原因イメージ02

若ハゲを発症する原因であるとともに、発症した後も悪化する原因となるのがストレスです。

過剰なストレスを受けると、体内の自律神経が乱れて血管が収縮して血行不良が起こります。血行不良によって頭皮に血液が行き渡らなくなり、髪の成長に必要な酸素や栄養が運ばれなくなってしまいます。

これがストレスによる薄毛発症の直接的な原因ですが、さらに発症した後に新たなストレスが生まれる場合があります。すなわち薄毛を自覚し始めてから、薄毛そのものに対する不安やストレスが二次的に起こるのです。

薄毛を悪化させるストレス

若ハゲを発症した時のショックは大きいものです。毎日、増加していく抜け毛を見ることがストレスになり、人の視線を感じるたびにストレスになり、このままいくと自分は…という将来への不安がストレスになって精神的に苦しめられます。

俗に言う「心配するとハゲる」という状態であり、気にすれば気にするほどストレスとなって頭皮への血行を悪くし、実際に薄毛の悪化を招いてしまうのです。

若ハゲの最も恐ろしいところが、発症後の精神的ストレスによる悪循環でしょう。
まだ人生の半分も行っていない段階で髪が無くなり始めたら、未来が暗くなってしまうものです。恋愛や就職活動に対して消極的になり、外を出歩くことが苦痛となって引きこもりがちになり、そんな生活に自己嫌悪がつきまといます。
突然襲いかかる絶望感と不安感で、うつや不眠と行った精神疾患を併発する場合もあります。

ストレスは様々な要因がありますが、周囲の環境や人間関係など自分だけでは解決が難しいことが多いです。

動画内で、若ハゲを悪化させるストレス要因について言及

まとめ

若ハゲの原因はいくつか考えられますが、いずれもAGA(男性型脱毛症)と同じです。

遺伝によってDHT(悪玉男性ホルモン)が強力に影響し、髪の寿命が縮まるというのが最も影響していると考えられています。

加えて、睡眠不足や運動不足、偏った食生活といった生活習慣の乱れやストレスによって頭皮への血行が悪化すると、髪に十分な栄養が運ばれなくなって抜け毛や薄毛に繋がります。

原因は単純ではなく、いくつかの要因が重なって発症することがほとんどです。

若ハゲを克服するためには、自分に当てはまる原因をできる限りまんべんなく把握し、一つ一つに対して根気よく対策を行うことが大切です。